この品種は,「Pentland Dell」に「R392-50」を交配して育成された固定品種であり,いもの皮色が白,形が卵形,上いも平均1個重がかなり大きくジャガイモシストセンチュウ抵抗性を有する調理用品種である。 叢性はやや開張型,個重型・個数型の別は個重型,幼芽の色は白,幼芽の太さ及び茎の長さは中,太さは太,茎翼は直,茎色(1次色)は緑,分枝数は少である。萌芽時の葉色は緑,頂小葉及び小葉の形は中間,大きさは中である。花の数及び大きさは中,がくの色は緑,花色(1次色)は白である。ふく枝の長さ及びいもの長短は中,形は卵形,皮色は白,表皮の粗滑は滑,目の数は少,深浅は浅,肉色(1次色)は白である。休眠期間はやや長,枯ちょう期及び初期生育は中,早期肥大性はやや速,上いも重は多,数は少,平均1個重はかなり大である。でん粉価及び肉質は中,黒変の程度は微,煮くずれの程度は少,食味は中である。葉巻病,Yモザイク病,青枯病,そうか病及び粉状そうか病抵抗性は弱,塊茎腐敗病抵抗性はやや強,ジャガイモシストセンチュウ抵抗性推定遺伝子型はH1である。 「男爵薯」と比較して,萌芽時の葉色が緑であること,花色(1次色)が白であること,いもの形が卵形であること,目が浅いこと,枯ちょう期が晩いこと,上いも平均1個重が大きいこと,ジャガイモシストセンチュウ抵抗性推定遺伝子型がH1であること等で,「農林1号」と比較して,萌芽時の葉色が緑であること,いもの形が卵形であること,休眠期間が長いこと,ジャガイモシストセンチュウ抵抗性推定遺伝子型がH1であること等で区別性が認められる。 |