この品種は,「男爵薯」のプロトプラストから再生して得られた突然変異体であり,いもの形は扁球形で目は浅く,皮剥後褐変しにくい調理用品種である。 叢性は中間型,個重型・個数型の別はやや個数型,幼芽の色は白,茎の長さは短,太さは中,茎翼はやや波,茎色の1次色は緑,2次色は赤紫,分枝数は少である。萌芽時の葉色は帯赤紫,頂小葉及び小葉の形は中間,大きさはやや大である。花の数はやや少,がくの色は帯紫,花の大きさは中,花色は赤紫系で両面先白が入る。ふく枝の長さは短,いもの長短はやや長,形は扁球形,皮色は黄褐,表皮の粗滑は中,目の数はやや多,深浅はやや浅,肉色は白である。枯ちょう期は中早,初期生育は中,早期肥大性はやや速,上いも重は少,数はやや多である。でん粉価はやや低,肉質はやや粉,黒変の程度は無,食味は中である。 「男爵薯」と比較して,幼芽の色が白であること,いもの形が扁球形であること,目が浅いこと等で,「ワセシロ」と比較して,幼芽の色が白であること,葉色が濃いこと,花色が赤紫系で両面先白が入ること,目が浅いこと等で区別性が認められる。 |