この品種は,「北海61号」に出願者育成のジャガイモシストセンチュウ抵抗性遺伝子保有系統を交配して育成された固定品種であり,いもの形は楕円形,皮色は淡赤,でん粉価が多く,ジャガイモシストセンチュウ抵抗性を有する調理用品種である。 叢性はやや開張型,個重型・個数型の別はやや個数型,幼芽の色は紫,茎の長さは中,太さはやや太,茎翼はやや波,茎色(1次色)は紫,分枝数はやや少である。萌芽時の葉色は帯紫,頂小葉の形は細,小葉の形はやや細,頂小葉及び小葉の大きさは中である。花の数は多,がくの色は帯紫,花の大きさは中,花色(1次色)は赤紫系で外面先白が入る。ふく枝の長さは中,いもの長短はやや長,形は楕円形,皮色(1次色)は淡赤,表皮の粗滑はやや滑,目の数は中,目の深浅はやや浅,肉色(1次色)は白である。休眠期間は長,枯ちょう期,初期生育及び早期肥大性は中,上いも重及び数はやや多である。でん粉価は高,肉質は粉,黒変の程度は微,煮くずれの程度は多,食味は中である。Yモザイク病,塊茎腐敗抵抗性及びそうか病抵抗性は中,ジャガイモシストセンチュウ抵抗性推定遺伝子型はH1である。 「男爵薯」と比較して,茎の長さが長いこと,茎色(1次色)が紫であること,いもの形が楕円形であること,いもの皮色(1次色)が淡赤であること,でん粉価が高いこと,ジャガイモシストセンチュウ抵抗性推定遺伝子型を有すること等で,「農林1号」と比較して,茎色(1次色)が紫であること,花色(1次色)が赤紫系であること,いもの形が楕円形であること,いもの皮色(1次色)が淡赤であること,でん粉価が高いこと,ジャガイモシストセンチュウ抵抗性推定遺伝子型を有すること等で区別性が認められる。 |