この品種は、「ふじ」と「陸奥」の交雑実生で、育成地(青森県黒石市)において10月下旬に成熟し、果実は「ふじ」と似た外観を持ち、食味良好で、貯蔵性が高いものである。樹姿及び樹の大きさは両親の中間で、樹勢は強い。枝しょうは両親より太く、皮目は大きく、短果枝及びえき花芽の着生は多い。葉形は円く、葉の大きさは大である。花の大きさは中、蕾の色は淡桃色、花弁の数は中である。雄ずいの本数は中で、両親よりわずかに少ない。果実は円形で、がくあは広く、深さは中で、梗あは広さ、深さとも中である。果実の大きさは300~350gで大きい。果皮は黄緑地に紅色の縞が明りょうに入り「ふじ」に似るが、縞の量は少なく、果皮の光沢は中で、表面は滑らかである。果肉は黄白色でやや硬く、きめはち密で、果汁は極めて多い。甘味は糖度計示度14度程度、酸味は強く、食味良好である。成熟期は育成地において10月下旬で、「ふじ」より2週間程度早く、貯蔵期間は「スターキングデリシャス」より長い。「ふじ」と比較して、成熟期が早く、果形が異なること等で、「陸奥」と比較して果皮の色が異なること等で、「スターキングデリシャス」と比較して、果皮の色及び果形が異なること等で区別性が認められる。 |