この品種は、「ピオーネ」に「センテニアル」を交配して育成されたもので、果房は大、果粒が紫黒色、短楕円形で極大粒の、育成地(長野県長野市)において10月上旬に成熟するやや晩生種である。樹の大きさは大、樹勢は強、熟梢の太さは太、節間横断面の形は扁平、熟梢表面の形状は細溝あり、着房数は中である。成葉葉身の形は五角形、裂片数は5片、葉柄裂刻の一般的な形は広く開く、上裂刻の形は深く重なる、深さは深、葉の大きさは中、成葉上面の色は濃緑、下面の色は淡緑、葉柄の色は淡紅、葉柄の主脈に対する長さは短、成葉上面の光沢は無である。花穂の大きさは大、花性は両性、果房の形は有岐円錐、大きさは大(400g程度)、粒着の粗密は中である。果粒の形は短楕円、大きさは極大(16g程度)、果皮の色は紫黒、厚さは厚、果皮と果肉の分離性はやや難である。果肉の色は不着色、肉質は中間、甘味は中(糖度18度程度)、酸味は少、香気はフォクシー、果汁の多少は多である。種子の数は中、形は長、大きさは大である。開花期は中で、育成地において6月上旬、成熟期はやや晩で、育成地において10月上旬で「巨峰」より約2週間遅い。花振いの多少は少、裂果の多少は少、果梗の強さは強、果梗と果粒の分離は難である。「藤稔」と比較して、葉の大きさが小さいこと、果皮の色が紫黒であること、果皮と果肉の分離性が難であること、成熟期が遅いこと等で、「ピオーネ」と比較して、果粒の形が短楕円であること、果皮と果肉の分離性が難であること、成熟期が遅いこと等で、「巨峰」と比較して、果粒の形が短楕円であること、果皮と果肉の分離性が難であること等で区別性が認められる。 |