この品種は、「やぶきた」に「あさつゆ」を交配して育成された固定品種であり、育成地(鹿児島県枕崎市)におけるほう芽期及び摘採期が早生で、良品質の暖地及び温暖地地域に適する煎茶用品種である。樹姿は中、樹勢はやや強、株張り及び葉層の厚さは中である。摘採期の茶芽の揃いはやや揃、大きさは中、芽数はやや多、摘芽長はやや長、摘芽の本葉の開葉数及び百芽重は中である。新葉の形は長楕円、大きさ、厚さ及び光沢は中、葉色は緑、葉質はやや軟である。成葉の形は長卵、大きさ、厚さ、葉面のしわ及び葉縁の波は中である。枝条の分枝数及び節間長は中、着葉角度はやや鈍、ほう芽期及び摘採期は早、挿木の発根性は良、幼木の収量性は中、成木の収量性はやや多である。製品の外観の形状、色沢、内質の香気及び滋味は上、水色は中上、全窒素は中、アミノ酸は多である。赤枯抵抗性はやや強、青枯及び裂傷型凍害抵抗性は中、炭そ病抵抗性はやや弱、輪斑病抵抗性は弱、網もち病及びもち病抵抗性は中である。「やぶきた」と比較して、成葉の形が長卵であること、成葉の葉縁の波が少ないこと、ほう芽期及び摘採期が早いこと、全窒素が少ないこと、アミノ酸が多いこと等で、「ゆたかみどり」と比較して、新葉の形が長楕円であること、新葉の色が緑であること、滋味が良いこと、裂傷型凍害が強いこと、網もち病抵抗性が強いこと等で区別性が認められる。 |