この品種は、「九州88号」に母本養成試験から得られた系統「九系7674-2」を交配して育成された固定品種であり、いもの皮色が赤、形状は長紡錘形、多収性で、ネコブセンチュウ抵抗性が強く、貯蔵性にも優れ、九州の食用かんしょ栽培地帯に適する青果向きの品種である。草型は葡萄型、草勢及び草高は中、巻つる性弱、茎色及び節色は微、茎の太さはやや細、長さはやや長、分枝数及び節間長は中、毛茸は少である。頂葉色は淡緑、葉色は緑、形は三角形、大小はやや小、葉脈色は中、密腺色は多である。藷梗の長さ、強さ及び堀取りの難易は中である。いもの形状は長紡錘形、大小は中、皮色は赤、肉色は黄白、条状溝及び皮脈は無、外観はやや上、圃場萌芽は無である。萌芽の遅速は早、萌芽揃の整否は整、晩植適性は中、早掘り適正は高、1株当たり上いも個数及びアール当たり上いも重は多、上いも重歩合はやや高、貯蔵性は易、カロチンは無、切干歩合は高、食味はやや上である。黒斑病抵抗性はやや強、ネコブセンチュウ抵抗性は強、ネグサレセンチュウ抵抗性は中である。「高系14号」と比較して、草高が高いこと、分枝数、葉脈色及び密腺色が多いこと、萌芽揃が整であること、ネコブセンチュウ抵抗性が強いこと等で、「コガネセンガン」と比較して、葉形が三角形であること、いもの皮色が赤であること、ネコブセンチュウ抵抗性が強いこと等で区別性が認められる。 |