この品種は、「白桃」、「白鳳」、「水野ネクタリン」及び「秀峰」の混植園で発見された偶発実生で、果形が楕円の大果で育成地(長野県須坂市)において9月上中旬に成熟する晩生種である。樹姿は中間、樹の大きさ及び樹勢は中である。芽序は単複、葉身の形は極長、大きさは大、色は緑である。花の大きさは中、花弁の数は単弁、形は楕円、色は桃、花粉の有無は無である。果実の外観は円、果頂部の形は凹、凹みは中、梗あの深さは深、広さは中、赤道部及び果頂部の縫合線は中である。果実の大きさは極大(350~400g)、果皮の地色は乳白、着色は多、着色の濃さは濃、形はぼかし、果皮の剥離性は離である。切った直後の果肉の色は白、果肉内の着色は少、核周囲の着色はやや少、肉質は不溶質である。果汁の多少は中、甘味は多、酸味は微、渋味は無である。核と果肉の粘離は粘、核の形は楕円、大きさは中である。成熟期は満開後131~140日で育成地においては9月上中旬である。生理落果の多少は少、核割れの多少は微、裂果は少、果実の日持ちは良である。「阿部白桃」と比較して、芽序が単複であること、葉身の形が長いこと、花の大きさが小さいこと、核と果肉の粘離が粘であること等で、「まなみ」と比較して、芽序が単複であること、葉身の形が長いこと、肉質が不溶質であること、核の形が楕円であること等で区別性が認められる。 |