この品種は「野池白桃」の芽条変異であり、330g程度の大果で、果皮の着色が良好、無袋栽培でもほとんど裂果せず、育成地(長野県長野市)において8月下旬から9月上旬に成熟する晩生種である。樹姿は中間、樹の大きさ、樹勢、枝梢の太さ及び節間長は中である。葉身の形は長、大きさは大、色は緑である。花形は普通咲、花の大きさは大、花弁の色は桃、花粉の有無は有(極少)、がく筒内壁の色は黄である。果実の外観は扁円、果頂部の形は凹、果頂部の凹は中、梗あの深さは深、広さは中、赤道部及び果頂部の縫合線は浅である。果実の大きさは極大(330g程度)、果皮の地色は白、着色はかなり多、着色の濃さは濃、形はぼかし、果面の毛じは有、密度は中である。切った直後の果肉の色は白、果肉内及び核周囲の着色は少である。果肉の粗密は密、果肉繊維の多少はやや少、果皮の剥離性はやや易、肉質は溶質、果汁の多少は多、甘味は多、酸味は少である。核と果肉の粘離は粘核、核の形は短楕円、大きさは中、色は褐、核面の粗滑は中、刻の点条の比率は1:1である。成熟期(満開から成熟までの日数)は121~130日で育成地において8月下旬から9月上旬である。結果量は多、生理落果及び核割れの多少は少、裂果は微である。「野池白桃」と比較して、果実の大きさが大きいこと、成熟期が遅いこと、裂果が少ないこと等で、「白桃」と比較して、果実の外観が扁円であること、果実の大きさが大きいこと、果皮の着色が多いこと等で、「川中島白桃」と比較して、果頂部の凹が深いこと、果面毛じの密度が粗いこと、裂果が少ないこと等で区別性が認められる。 |