この品種は、「ナポレオン」、「佐藤錦」、「高砂」等の混植園で発見された偶発実生で、育成地(山形県上山市)において7月上旬に成熟し、10g近い大果で果肉が硬く甘味の多い晩生種である。樹姿は直立、樹の大きさは中、樹勢は強である。葉形は長楕円、葉の大きさは大である。花形は普通咲、花の大きさは大、小花数の多少は少、花弁の形は楕円、花紛の多少は有、がくの色は淡緑、花柄の長さは中である。果実の外観は短心臓形、果頂部の形は凹、果頂部の凹はかなり浅、梗あの深さはやや浅、梗あ広さは中、果実の大きさは大である。果皮色は帯赤黄斑、果皮の着色は多、果肉の色はクリーム、果肉内の着色は無、核周囲の着色は少である。果肉の硬さは極硬、果汁はやや多、甘味は多、酸味は少である。核と果肉の粘離は半離、核の形は短楕円、核の大きさは極大である。開花期は中、成熟期は育成地において7月上旬で満開から55日以上、結果性はやや多、裂果性はかなり多、果実の日持ちは良である。「ナポレオン」と比較して、果実が大きいこと、果皮の着色が多いこと、果肉が硬いこと、甘味が多いこと等で、「高砂」と比較して、果実が大きいこと、果肉が硬いこと、成熟期が遅いこと等で、「高陽錦」と比較して、果肉が硬いこと、酸味が少ないこと、核が大きいこと等で区別性が認められる。 |