この品種は、「興津早生」の枝変わりであり、果形が扁円、果面が平滑で育成地(宮崎県日南市)で9月中旬から収穫でき、極早生の温州みかんとしては樹勢が強い品種である。樹姿は開張性、樹の大きさはやや大、樹勢、節間長及び葉身の面積は中である。果実の外観は扁円、果形指数は140程度、果頂部水平域の果実横径に対する比は大、果頂部凹部の深さは浅、果梗部水平域の果実横径に対する比は大、果梗部放射条溝果の多少は無、中心柱の大きさは中、果実の大きさは中である。果皮の色は橙、果面の平滑度は滑、油胞の大きさは小、油胞の密度は密、果皮の厚さはやや薄、剥皮の難易は易である。じょうのう模の硬さは軟、砂じょうの色は橙、果汁の多少は多、甘味は中、酸味は少である。成熟期は極早で、育成地において10月上旬に完全着色し、「興津早生」より2週間以上早く、「宮本早生」より1週間程度早い。隔年結果性は中、浮皮果の発生はでやすい、貯蔵性は小である。「市文早生」及び「山川早生」と比較して、樹勢が強いこと、葉身の面積が大きいこと、果面の平滑度が滑らかなこと等で、「宮本早生」と比較して、樹勢が強いこと、葉身の面積が大きいこと等で区別性が認められる。 |