この品種は、「白鳳」の1樹変異とみられるもので、「白鳳」より早熟で育成地(和歌山県那賀郡桃山町)において6月下旬~7月上旬に成熟する早生種である。樹姿は中間、樹の大きさ及び樹勢は中、枝梢の太さ及び節間長は中である。花は普通咲きで大きさは大、開花期は早で育成地において4月上旬、花紛の有無は有である。果実の外観は円、果頂部の凹は中、梗あの深さは浅、梗あの広さは中、縫合線の深さは赤道部では浅、果頂部では中である。果実の大きさはやや大(平均220g)、果皮の地色は乳白、果皮の着色は多、濃さは濃、着色の形は条である。果肉の色は乳白、果肉内の着色及び核周囲の着色は微である。果肉の粗密は密、果皮の剥離性は易、肉質は溶質である。果汁の多少は多、甘味は中、酸味は少である。核と果肉の粘離は粘核、核の形は短楕円、核の大きさは極大、核の色は褐、核面の粗滑は中である。成熟期は満開後81~90日の範囲にあり、育成地において6月下旬~7月上旬である。結果量は多、生理落果の多少及び核割れの多少は少、裂果は無、果実の日持ちは中である。「白鳳」と比較して、果皮着色の形が条であること、成熟期が早いこと等で、「布目早生」と比較して、果形が円であること、果皮着色の形が条であること、成熟期が遅いこと等で、「武井白鳳」と比較して、梗あが浅く狭いこと、核が滑らかなこと等で、「早生桃山」と比較して、果実が大きいこと、果皮着色の形が条であること等で区別性が認められる。 |