この品種は、「Pampa INTA」に「西海167号」を交配して育成された固定品種であり、育成地(福岡県筑後市)における成熟期はやや早、粗蛋白質含量が多、しま萎縮病抵抗性が強の製パン向きの品種である。叢性はやや直立、株の開閉は閉、鞘葉の色は無である。稈長はやや短、稈の細太はやや太、剛柔、ワックスの多少及び葉色は中、葉鞘のワックスの多少はやや多、毛の有無・多少は無~極少、下垂度はやや大、フレッケンの有無・多少は無~極少である。穂型は紡錘状、穂長は短、粒着の粗密はやや密、穂の抽出度は中、ワックスの多少はやや多、ふ毛の有無は無、葯の色は黄、芒の有無と多少は多、芒長はやや長、ふの色は褐である。粒の形は中、大小はやや大、色は褐、頂毛部の大きさは中、粒の黒目の有無・多少は無~極少、千粒重及び容積重はやや大、原麦粒の見かけの品質は中の下、粗蛋白質含量は多、灰分含量は中である。うるち・もちの別はうるち、播性の程度はⅠ、茎立性、出穂期及び成熟期はやや早、耐湿性は中、耐倒伏性は強、穂発芽性はやや易、脱粒性は中、収量性はやや少である。粒の硬軟は硬、粒質は硝子質、製粉歩留及びミリングスコアはやや高、60%粉粗蛋白質含量及び60%粉灰分含量はやや多、粉の明度及び赤色みは中、黄色みはやや低、吸水率は高、バロリメーターバリュウはやや高、生地の力の程度は大、生地の伸長抵抗は強、伸長度はやや長、形状係数はやや大、最高粘度及びブレークダウンはやや小である。しま萎縮病抵抗性は強、赤かび病抵抗性はやや弱、うどんこ病抵抗性及び赤さび病抵抗性はやや強である。「ニシノカオリ」と比較して、ふの色が褐であること等で、「農林61号」と比較して、耐倒伏性が強いこと、粒質が硝子質であること等で区別性が認められる。 |