この品種は、「E-647」(「清見」×「オセオラ」)に「宮川早生」を交配して育成されたものであり、果形が扁球、果実の重さがやや重、果皮色が橙の育成地(静岡県静岡市)では12月上旬に成熟するかんきつである。樹姿は中間、樹の大きさはやや小、樹勢は中である。枝梢の太さは太、節間長は中、枝梢のとげの多少は多である。葉身の形は紡錘形、波状の程度はやや弱、大きさは小、葉身長は中、葉身幅は狭、網脈の鮮明度はやや明瞭である。翼葉の形は痕跡、葉柄の長さ及び太さは中である。花序の形成は単生、花(花蕾)の重さは軽、花弁の形は紡錘形、長さは短、幅は広、色は白、数は5枚、花糸の分離の程度は分離、花粉の多少は無である。果実の形は扁球、果形指数はやや大、果頂部の形は平坦、放射条溝の有無は無、凹環の有無は不明瞭、果梗部の形は切平面、放射条溝の多少は中である。果心の充実度は空、大きさは大、果実の重さはやや重、果皮の色は橙、油胞の大きさは中、密度は密、凹凸は凹、果面の粗滑はやや滑、果皮の厚さ及び果皮歩合は中、剥皮の難易は易である。じょうのう膜の硬さは軟、さじょうの形は短、大きさは中、色は橙である。果汁の多少はやや多、甘味はやや低、酸味は低、香気の多少は中、種子数は少、胚の数は単胚である。発芽期はやや晩、開花期はやや早、成熟期はかなり早で育成地においては12月上旬である。隔年結果性は中、浮皮果の発生は少、裂果の発生は無、貯蔵性は短である。「清見」と比較して、果心の充実度が空であること、剥皮が易であること等で、「オセオラ」と比較して、果実が重いこと、果皮の色が橙であること等で区別性が認められる。 |