この品種は、「清見」に「吉浦ポンカン」を交配して育成されたものであり、果形が扁球、果実の重さがやや重、果皮色が濃橙の育成地(山口県大島郡橘町)では3月上旬~4月中旬に成熟するかんきつである。樹姿は中間、樹の大きさ及び樹勢は中である。枝梢の太さは中、節間長は長、枝梢のとげの多少は中である。葉身の形は紡錘形、波状の程度、葉身の大きさ、葉身長及び葉身幅は中、網脈の鮮明度は明瞭である。翼葉の形は痕跡、葉柄の長さ及び太さは中である。花序の形成は単生、花(花蕾)の重さは中、花弁の形は紡錘形、長さ及び幅は中、色は白、数は5枚、花糸の分離の程度は分離、花粉の多少は少である。果実の形は扁球、果形指数は大、果頂部の形は平坦、放射条溝及び凹環の有無は無、果梗部の形は切平面、放射条溝の多少は中である。果心の充実度は粗、大きさは小、果実の重さはやや重、果皮の色は濃橙、油胞の大きさは大小混合、密度は中、凹凸は凸、果面の粗滑は粗、果皮の厚さは厚、果皮歩合及び剥皮の難易は中である。じょうのう膜の硬さは軟、さじょうの形及び大きさは中、色は濃橙である。果汁の多少は中、甘味は高、酸味は中、香気の多少及び種子数は少、胚の数は多胚である。発芽期及び開花期は中、成熟期は中で育成地においては3月上旬~4月中旬である。隔年結果性は高、浮皮果の発生は無、裂果の発生は少、貯蔵性は中である。「清見」と比較して、果形指数が大きいこと、果心が大きいこと等で、「不知火」と比較して、果梗部が切平面であること、果皮の色が濃橙であること等で区別性が認められる。 |