この品種は、出願者所有の育成系統に「西海168号」を交配して育成された固定品種であり、育成地(福岡県筑後市)における成熟期はやや早生、最高粘度は大の製めん向きの品種である。叢性は中、株の開閉はやや開、稈長はやや短、稈の細太、剛柔、ワックスの多少は中である。葉色及び葉鞘のワックスの多少は中、毛の有無・多少は無~極少、下垂度は中、フレッケンの有無・多少はかなり少である。穂型は紡錘状、穂長はやや長、粒着の粗密はやや疎、穂の抽出度は中、ワックスの多少はやや少、芒の有無と多少及び芒長は中、ふの色は褐である。粒の形はやや長、大小はやや大、色は赤褐、千粒重はやや大、原麦粒の見かけの品質は中の中である。うるち・もちの別はうるち、播性の程度はⅣ、出穂期及び成熟期はやや早、耐倒伏性はやや強、穂発芽性及び脱粒性は中、収量性は多である。粒の軟硬は中、粒質は粉状質、製粉歩留は中、ミリングスコアは高、60%粉蛋白含量は中、60%粉アミロース含量はやや少、粉の白さはやや低、明るさは中、色づきはやや高、吸水率は中、最高粘度は大である。しま萎縮病抵抗性はやや強、赤かび病抵抗性は中、うどんこ病抵抗性はやや強、赤さび病抵抗性は中である。「農林61号」と比較して、稈長が短いこと、最高粘度が大きいこと等で、「チクゴイズミ」と比較して、ふの色が褐であること、粒の形が長いこと等で区別性が認められる。 |