この品種は、「はっさく」と「平戸ぶんたん」の交雑実生であり、果実の大きさが500g大、果形が円~やや扁円、果皮が黄色で、5~6月に成熟するぶんたん類である。樹姿は直立性、樹の大きさは大、樹勢は強、節間長は中、葉は楕円状披針形、葉の大きさは中で「はっさく」より小さい。花は総状花序を形成し、花粉は多い。果実の大きさは500g程度で中、種子数により果実重に多少の変動がある。果形は円ないしやや扁円(果形指数115)、果頂部の形は窪陥、果頂凹部の深さは中、花柱痕の大きさは大、果梗部の形は球面、果梗部放射状溝果の多少は少なく、その深さは中である。果皮の色は黄色で「はっさく」より淡く「メイポメロ」より濃く、果面の平滑度は中で「はっさく」よりやや滑らかである。果皮の厚さは10mm程度で厚く、良くしまり、剥皮は難である。果実の中心柱は小さく、じょうのう数は平均12.8個、砂じょうは大きく、果肉の色は黄で「はっさく」より淡い。果汁は多く、「はっさく」より多く、果汁の甘味は12度程度、酸味は多く、酸含量が1.5%程度に減少するのは5月で、5~6月が食味適期である。じょうのう膜及びアルベドに少し苦味があり、果肉の香りは少なく、特臭は無い。種子数は30~40粒で、単胚である。単為結果性は低く、隔年結果性は中、生理的落果は中である。「平戸ぶんたん」と比較して、果実が小さく、果形が円~やや扁円であること等で、「はっさく」と比較して、果実が大きく、果皮色が淡く、果汁が多いこと等で、「サマーフレッシュ」と比較して、成塾期が早いこと等で区別性が認められる。 |