この品種は、「はっさく」と「平戸ぶんたん」の交雑実生であり、果実は大きさが500~600g、球形、果皮が黄色で、4月下旬~5月に成熟するぶんたん類である。樹姿は中間、樹の大きさは大、樹勢は強、節間長は長、葉は楕円状被針形で「はっさく」より細長く、葉の大きさは中、翼葉はくさび形で「はっさく」より大きい。花は大きく、総状花序を形成し、花粉は多い。果実の大きさは500~600gで大、果形はほぼ円(果形指数110)、果頂部の形は窪陥、果頂凹部の深さは浅、花柱痕の大きさは中、果梗部の形は平面、果梗部放射条溝果の多少は少なく、その深さは浅い。果皮は12月中下旬に完全着色し、黄色で「平戸ぶんたん」より濃いが「イエローポメロ」より淡く、果面の平滑度は中で「はっさく」より滑らかである。果皮の厚さは11.0mm程度で厚く、硬く、果実のしまりは良く、剥皮は難である。果実の中心柱は大きく、じょうのう数は平均13.2個、じょうのう膜は硬く、果肉の色は黄、果汁の多少は中である。果汁の甘味は11~12度となるが、酸含量が1.3%程度に減少するのは5月に入ってからで、4月下旬~5月が食味適期である。果肉はぶんたん香とわずかに苦味があり、風味良好である。種子数は30~50粒で多く、単胚である。隔年結果性は低く、生理的落果は少ない。「平戸ぶんたん」と比較して、果実が小さく円形であり、果皮色が濃いこと等で、「はっさく」と比較して、果形が円で果面が滑らかであり、果皮が厚いこと等で区別性が認められる。 |