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この品種は，出願者の「富有」園（岡山県井原市）において発見された枝変わりであり，果形が円形，果実の大きさが大，育成地において10月上中旬に成熟する完全甘柿である。 樹姿は開張，樹勢は中，発育枝の長さは長，節間長はやや長，枝梢の太さは中，色は褐である。葉身の形は楕円，上部の形は中，基部の形は鈍，横断面の形は内巻小，着生角度は横向，葉の大きさは大，葉柄の長さ及び太さは中である。果実の形及び縦断面の形は円，果頂部の形は浅凹，果頂部の微突は無，横断面の形は円，果実の斜線溝は不明瞭で短，側溝は無，蒂部の皺は少，果皮の亀甲紋は不明瞭，果粉の多少は多，蒂窪平面の形は正方形，側面の形は凹Ｕ，果梗の長さは中，太さは太，果心の形は長三角，太さは中，果実の大きさは大，果皮の色は橙紅，光沢は良，果実の座の有無及び条紋の発生程度は無，蒂の全形は中太肩平，長短は幅広，大きさはやや大，先端の形は太尖，果実に対する姿勢は斜向である。果肉の色は橙，褐斑の大きさは小，密度は粗，分布は果肉全体，果肉の粗密は密，甘味はやや多，渋味は無，子室数は８，種子数は３～４，種子の形は三角，長短，厚さ及び珠芽の長さは中，種子の色は赤褐，大きさは大である。発芽期及び雌花の開花期は晩，成熟期はやや早で育成地において10月上中旬，花性は雌花のみ，甘渋性は完全甘，果頂裂果性及び蒂隙性は無である。 「松本早生富有」と比較して，果実の形，縦断面及び横断面の形が円であること，果心の太さが細いこと，種子の厚さが薄いこと等で区別性が認められる。 |