この品種は、「八反35号」に「アキツホ」を交配して育成された固定品種であり、温暖地西部での熟期が早生の早の水稲・酒米用品種で、玄米が大粒で、心白の発現率が高く、耐倒伏性をもち、広島県の標高200~400mの地帯に適するものである。草型は中間型で、稈の長さ、太さ及び剛さはともに中である。止葉はやや立ち、葉身及び葉鞘の色は淡緑である。穂はやや長く、穂数はやや少なく、粒着密度はやや疎である。玄米は大粒で、千粒重も大で、見かけの品質は上の中、光沢及び心白はともに大で、腹白及び胴割は極少である。穂発芽性はやや難、耐倒状性は中、脱粒性は難である。いもち病圃場抵抗性は、穂いもち病には弱、葉いもち病にはやや弱、白葉枯病圃場抵抗性はやや弱、ごま葉枯病抵抗性は中である。「八反35号」と比較して、玄米が大粒で心白が多いこと、穂発芽性及び脱粒性が難なこと等で、「八反10号」及び「八反40号」と比較して、稈及び穂が短いこと、見かけの品質が良いこと、耐倒伏性が強いこと、脱粒が難なこと等で、「五百万石」と比較して、稈が細いこと、粒着密度が疎であること、玄米の形が円いこと等で、「たかね錦」と比較して、稈及び穂が短いこと、心白が多いこと等で、「八反2号」と比較して、稈及び穂がやや長いこと、玄米千粒重がやや小で、心白がやや少なくやや小さいこと等で区別性が認められる。 |