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この品種は果実の果面が極めて滑らかな点が特徴で、もとの樹の「宮川早生」の果実や従来の温州ミカンの果実とは外観から区別できる。一次油胞はわずかに凹む傾向があるがその数は極めくて少なく、二次及び三次油胞は微小でほとんど目立たず油胞間組織の凹凸もないので、あたかもトマトの果面のように滑らかである。これまでにもトマト系と称する果面の変異が発見されているがこの系統は普通温州したもので、「宮川早生」より生じた本変異とは異なつている。また、従来のトマト系は黄色が強い黄橙色で小果であるが、本品種は色の濃さは「早生温州」や「中生温州」と同程度の濃橙色で、果実の大きさも「宮川早生」と同じ位ある。果面が滑らかになるのは上述したように第一次油胞の数が極端に少なく、第二次・三次油胞はかなり分布するが極めて微小で凹凸しないためと思われる。したがって、油胞のあるフラベド組織が薄く、相対的にアルベド組織が厚くなり、「宮川早生」に比べるとアルベド組織の崩壊が遅いために果皮は厚い。「米沢温州」や「瀬戸温州」に比べるとフラベドが薄いだけ果皮の厚さは薄いが、アルベド組織が退化しにくいので、樹上にとどめても浮皮果は発生しない。アルベド組織が残るので、果皮がややむきにくい難点がある。糖・酸の含量からみた熟期は早生温州と中生温州の中間と思われるが、浮皮果が発生せず食味も濃厚であるから中生温州の出荷時期である11月中旬から年内に出荷される。 |