この品種は,「農林22号」の種子に突然変異誘発剤EMSの浸漬処理を行って育成された固定品種であり,育成地(広島県東広島市)における成熟期は早生の晩,穂長はやや短,玄米の形はやや細長の酒造用掛米品種である。 草型は中間型,稈長は中,稈の細太は細,剛柔はやや剛,止葉の直立の程度はやや垂,葉身及び葉鞘の色は緑である。穂長はやや短,穂数は中,粒着密度はやや密,穂軸の抽出度は中である。穎色は黄白,ふ先色は黄白-黄,芒の有無と多少は極少である。玄米の形はやや細長,大小及び精玄米千粒重はやや小,玄米の見かけの品質は中の上,光沢は中,食味は中の中である。出穂期及び成熟期は早生の晩,穂発芽性はやや易,耐倒伏性はやや強,収量は中である。穂いもち及び葉いもち圃場抵抗性はやや弱である。 「農林22号」と比較して,草型が中間型であること,稈長が短いこと,穂数が多いこと,耐倒伏性が強いこと等で,「中生新千本」と比較して,草型が中間型であること,出穂期及び成熟期が早いこと等で区別性が認められる。 |