この品種は,「興津早生」の枝変わりであり,果実が円,果実の大きさが中,果皮色が橙色で,育成地(和歌山県有田郡吉備町)において11月上旬から収穫できる早生品種である。 樹姿は中間,樹の大きさはやや大,樹勢,枝梢の太さ及び節間長は中である。葉形指数は小,葉身の面積は大,長さ及び幅は長,葉柄の長さは長,葉柄比率は小である。果実の外観は円,果形指数は~135,果頂部水平域の果実横径に対する比は小,果頂部凹部の深さは浅,花柱痕の大きさは中,果梗部水平域の果実横径に対する比は小,果梗部放射条溝果の多少は少,中心柱の大きさは小,果実の大きさは中(120g程度)である。果皮の色は橙,油胞の大きさ,果面の平滑度及び油胞の密度は中,凹凸は平,凹点の多少は無~少,果皮の厚さは薄,剥皮の難易は易である。じょうのう膜の硬さは軟,砂じょうの色は橙,果汁の多少は多,甘味は多(糖度12~13度程度),酸味及び香気は少である。成熟期は早,育成地においては11月上旬である。隔年結果性は中,浮皮果の発生及び裂果の多少はでにくい,貯蔵性は中である。 「興津早生」と比較して,葉身の長さ及び幅が長いこと,花の大きさが大きいこと, 果面の平滑度が粗いこと等で,「宮川早生」と比較して,葉身の長さ及び幅が長いこと,花の大きさが大きいこと,花柱痕の大きさが大きいこと等で,「絹平」と比較して,葉身の長さ及び幅が長いこと,葉柄比率が小さいこと,果実の外観が円であること,花柱痕の大きさが小さいこと,甘味が多いこと等で,「石塚早生」及び「高林早生」と比較して,葉身の長さ及び幅が長いこと,葉柄比率が小さいこと,花の大きさが大きいこと,果面の平滑度が粗いこと等で区別性が認められる。 |