この品種は、放射線育種場で「あさなぎ」にγ線を照射して生じた突然変異個体を広島県農業試験場で選抜して育成したもので、多収、良質、特に畳表に加工した時の品質が良く、岡山、広島、佐賀の各県に適するものである。草型は中間型で、葉しょう長はやや長い。茎の長さはやや長、太さはやや細で、太さの変異は小、生茎の色はやや淡緑、乾茎の色調は明るい。1株茎数、1株長茎数ともに多で、1メートル乾茎重はやや軽、長乾茎重はかなり重、長乾茎重率はやや高い。花房の大きさは小、数はかなり少なく、花被の色は淡褐緑で、開花始期は中、稔性は可稔である。乾茎の硬さはやや軟、先枯歩合、先枯長ともに中である。イグサ紋枯病抵抗性はやや弱、イグサシンムシガ抵抗性は中である。「あさなぎ」と比較して、茎長が長く、長乾茎重が重く、花房が少ないこと等で、「いそなみ」と比較して、茎の太さの変異が小さく、1株有効茎数及び1株長茎数が多く、花房が小さく、数が少ないこと等で区別性が認められる。 |