この品種は、「東北141号」に出願者所有の育成系統を交配して育成された固定品種であり、育成地(岩手県盛岡市)における成熟期はやや早、稈長が中、製粉歩留がやや高の製パン向きの品種である。叢性は中、株の開閉はやや開、鞘葉の色は無である。稈長、稈の細太及び剛柔は中、ワックスの多少はやや多、葉色はやや濃、葉鞘のワックスの多少はやや多、毛の有無・多少は無~極少、下垂度はやや大、フレッケンの有無・多少はかなり少である。穂型は紡錘状、穂長、粒着の粗密及び穂の抽出度は中、ワックスの多少はやや多、ふ毛の有無は無、葯の色は黄、芒の有無と多少はかなり少、芒長は極短、ふの色は黄である。粒の形及び大小は中、色は赤褐、頂毛部の大きさは中、粒の黒目の有無・多少は少、千粒重は中、容積重はやや大、原麦粒の見かけの品質は中の上、粗蛋白質含量はやや多、灰分含量は中である。うるち・もちの別はうるち、播性の程度はⅤ、茎立性、出穂期及び成熟期はやや早、遺伝子雄性不稔の有無は無、耐寒性は強、耐雪性はやや強、耐凍上性は強、耐倒伏性はやや強、穂発芽性、脱粒性及び収量性は中である。粒の硬軟は硬、粒質は硝子質、製粉歩留及びミリングスコアはやや高、60%粉粗蛋白質含量は多、60%粉灰分含量及び60%粉アミロース含量は中、粉の白さ及び明るさはやや高、色づきはやや低、吸水率及びバロリメーターバリュウはやや高、生地の力の程度はやや大、生地の伸長抵抗、伸長度、形状係数、最高粘度及びブレークダウンは中である。しま萎縮病抵抗性は強、赤かび病抵抗性は中、うどんこ病抵抗性及び赤さび病抵抗性は強である。「キタカミコムギ」及び「コユキコムギ」と比較して、フレッケンが少ないこと、出穂期が早いこと、しま萎縮病抵抗性が強いこと等で区別性が認められる。 |