この品種は、「シラサギコムギ」に「シロガネコムギ」を交配して育成された固定品種であり、育成地(広島県福山市)における成熟期は早、稈長がやや短、製粉歩留がやや高の製麺向きの品種である。叢性はやや直立、株の開閉はやや開、鞘葉の色は無である。稈長はやや短、稈の細太はやや太、剛柔はやや剛、ワックスの多少はやや少、葉色は中、葉鞘のワックスの多少はやや少、毛の有無・多少は無~極少、葉身の下垂度は中、フレッケンの有無・多少はやや少である。穂型は紡錘状、穂長はやや長、粒着の粗密はやや疎、穂の抽出度はやや長、ワックスの多少は少、ふ毛の有無は無、葯の色は黄、芒の有無と多少及び芒長は中、ふの色は黄である。粒の形は中、大小はやや小、色は黄褐、頂毛部の大きさは中、粒の黒目の有無・多少は無~極少、千粒重はやや小、容積重は中、原麦粒の見かけの品質は中の上、粗蛋白質含量は中、灰分含量はやや少である。うるち・もちの別はうるち、播性の程度はⅡ、茎立性は中、出穂期及び成熟期は早、遺伝子雄性不稔及び細胞質雄性不稔の有無は無、耐湿性は中、耐倒伏性は強、穂発芽性及び脱粒性は中、収量性はやや少である。粒の硬軟は中、粒質は粉状質、製粉歩留及びミリングスコアはやや高、60%粉粗蛋白質含量は中、60%粉灰分含量はやや少、60%粉アミロース含量は中、粉の明度はやや高、赤色みは低、黄色みは中、吸水率及びバロリメーターバリュウはやや低、最高粘度及びブレークダウンはやや小である。しま萎縮病抵抗性は中、赤かび病抵抗性及びうどんこ病抵抗性はやや弱、赤さび病抵抗性は弱である。「シラサギコムギ」及び「農林61号」と比較して、稈長が短いこと、耐倒伏性が強いこと等で区別性が認められる。 |