この品種は,育成者のほ場(山梨県東八代郡八代町)で発見された「日川白鳳」の変異樹で,果形が短楕円,果肉が乳白色,果重が250g程度の育成地において6月下旬に成熟する早生種である。 樹姿は中間,樹の大きさ及び樹勢は中である。枝梢の太さ及び節間長は中,葉身の形,葉縁の波打ち及び葉の大きさは中,色は緑,蜜腺の形は腎である。花の大きさは中,花弁の形は楕円,波打ちは有,色は淡桃,花粉の多少は有,がく筒の形は鐘,がくの色は紅紫である。果実の外観は短楕円,果頂部の形は凹,凹みは浅,梗あの深さ及び広さは中,赤道部の縫合線は浅,果頂部の縫合線は中である。果実の大きさはやや大(250g程度),果皮の地色は乳白,着色は多である。切った直後の果肉の色は乳白,果肉内及び核周囲の着色は微,果肉の粗密は中,果肉繊維の多少は少,果皮の剥皮性は中,肉質は溶質である。果汁の多少は多,甘味は中,酸味は少,渋味は微,苦味は無である。核と果肉の粘離は粘核,核の形は楕円,大きさは中,色は淡褐,核面の粗滑は粗である。開花期は中で育成地においては4月10日前後,成熟期は満開後80日以前で,育成地においては6月下旬である。生理落果の多少は少,核割れの多少は中,裂果は無,果実の日持ちは中である。 「日川白鳳」と比較して,葉縁の波打ちが多いこと,果実の外観が短楕円であること,核面の粗滑が粗いこと等で,「武井白鳳」と比較して,蜜腺の形が腎であること,香気が多いこと等で,「ちよまる」と比較して,切った直後の果肉の色が乳白であること等で,「ちよひめ」と比較して,果肉内の着色が少ないこと,核面の粗滑が粗いこと等で区別性が認められる。 |