この品種は,「ツニカ」に「根育20号」を交配して育成された固定品種であり,多 収で,でん粉価がやや高く,ジャガイモシストセンチュウ抵抗性推定遺伝子型 H1を 有する加工用品種である。 叢性はやや開張型,個重型・個数型の別は個重型,幼芽の色は淡赤,太さは中,茎 の長さはやや長,太さは中,翼はやや波,色は緑で赤紫の斑紋が入る,分枝数はやや 多である。萌芽時の葉色は淡緑,葉色はやや淡緑,頂小葉の形は中間,大きさは中, 小葉の形は中間,大きさはやや小である。花の数はやや多,大きさは大,色は赤紫系 で内面先白である。ふく枝の長さは短,いもの長短はやや長,形は卵形,皮色は黄褐, 表皮の粗滑はやや粗,目の数は中,深浅はやや浅,肉色は淡黄,休眠期間はやや長, 枯ちょう期は中晩,早期肥大性は中,上いも重は多,数はやや少である。でん粉価は やや高,黒変の程度は微,煮くずれの程度はやや少,肉質はやや粉,チップ・フライ の褐変程度は微,フライの乾湿は乾,食味は中上,用途は加工である。青枯病抵抗性 及び粉状そうか病抵抗性は弱,塊茎腐敗抵抗性は強,疫病抵抗性推定遺伝子型はr, ジャガイモシストセンチュウ抵抗性推定遺伝子型はH1である。 「ホッカイコガネ」と比較して,萌芽時の葉色が淡緑であること,花の大きさが大 きいこと,いもの形が卵形であること,肉質がやや粉であること,疫病抵抗性推定遺 伝子型がrであること,ジャガイモシストセンチュウ抵抗性推定遺伝子型が H1であ ること等で,「農林1号」と比較して、叢性がやや開張型であること,花色が赤紫系 であること,皮色が黄褐であること,チップ・フライの褐変程度が少ないこと,青枯 病抵抗性が弱いこと,塊茎腐敗抵抗性が強いこと等で区別性が認められる。 |