この品種は、「あかつき」の枝変りで、着色が良く、育成地(福島県伊達郡保原町)において7月下旬に成熟する中生種である。樹姿はやや開張、樹の大きさ及び樹勢は中、枝梢の太さは中、節間長は短である。葉身の形は極長、葉の大きさは極大である。花は普通咲、花弁の色は淡桃で、花粉は多い。開花期は育成地において4月20日頃である。果実の形は扁円、果頂部の凹みは中、梗あの深さは中、梗あの広さはやや狭、赤道部の縫合線はやや浅い。果実の大きさはやや大(1果実平均200g)、果皮の地色は乳白、着色は多、着色の濃さは濃で全面に着色する。果肉の色は白、果肉内の着色は中、核周囲の着色は無である。果肉の粗密は密、肉質は溶質である。果汁の多少は多、甘味は多、酸味は少である。核は粘核、核の形は短楕円、核の大きさはやや大、核割れの多少は少である。成熟期は満開から91~100日の範囲にあり、育成地において7月下旬で、「あかつき」より約1週間早い。「あかつき」と比較して、果皮の着色が濃いこと、核周囲の着色がないこと、成熟期が早いこと等で、「松浦白鳳」と比較して、果皮の着色が濃いこと、核の形が楕円であること等で区別性が認められる。 |