この品種は,ササリンドウ系の矮性系統どうしを交配して育成されたものであり,花は内面上部が濃紫青色,内面中部が緑白色,外面が浅青紫色で,鉢物向きの品種である。植物体の形状は中間型,草丈は20~29㎝である。茎の直径は1.5~1.9㎜,横断面の形状は円形,上部の色は淡緑,着色程度は少,下部の色は淡緑,着色程度は少である。1節側枝発生数は1~4,2節以上の側枝発生数は1~6,1節側枝発生位置は上部のみである。葉長は3.0~4.9㎝,葉幅は1.5~1.9㎝,葉身の形状は広披針形,葉表面の色は緑,着色程度は無,裏面の色は淡緑,着色程度は無である。花房のつき方は茎頂~下位節に単生,開花の順序は頂部より,頂部の着花数は1~4,茎当たりの総花数は5~9である。花冠の形状は狭漏斗形,長さは4.0~4.9㎝,直径は1.6~1.9㎝,先端の直径は3.0~3.9㎝,転回は外反転,花冠内面上部の色は濃紫青(JHS カラーチャート7607),内面中部の色は緑白(同3501),外面の色は浅青紫(同8008),内面上部及び中部の斑点は少,外面の斑点はかなり少,外面の縞模様の有無は有である。花冠裂片の長さは10~11㎜,幅は8~9㎜,形状はⅣ型である。がくの裂片数は5,形状は狭披針形,そろいは不斉,がく筒の形は筒状である。開花期は晩で,育成地(岩手県北上市)では9月下旬~10月上旬である。「いわて乙女」と比較して,葉身の形状が広披針形であること,花房のつき方が茎頂~下位節に単生であること,開花期が晩いこと等で,「福寿杯」と比較して,茎上部の着色程度が少ないこと,葉身の形状が広披針形であること,花房のつき方が茎頂~下位節に単生であること等で区別性が認められる。 |