この品種は、エゾオヤマリンドウの実生矮性系から育成された一代雑種であり、開花期が早生で、花は花冠先端が開花中でもほどんと反転することなく、鮮青紫色で鉢物向きである。草型は直立性で、草丈は実生2年目株で17cm未満の矮性である。茎の太さは4mm前後と従来の鉢物りんどうより著しく太く、淡緑色で、節数は14節程度と少ない。茎立数は4本内外で、葉は濃緑色の楕円形で、ねじれは無く、葉長はこの種類としては著しく短く2cm内外、葉幅は2cm前後で、やや広く立葉である。葉柄は無い。花は頂部に集合し、花冠の形は狭漏斗形で一重咲である。花冠の長さは4cm、先端の展間の反転はなく、花色は花冠外面は鮮青紫色(RHSカラーチャート96-C)で、花冠内面上部の斑点は無く、花冠の内面は外面よりやや淡色で斑点は無い。育成地(岩手県下)における開花期は、露地栽培で平年8月中旬及び下旬で早生である。「竜峽クイン」及び「新キリシマ」と比較して、繁殖が種子によること、直立性で茎が太いこと、開花期が早いこと、花冠外面の色が鮮青紫色で、花冠が開花期でも反転しないこと等で区別性が認められる。 |