この品種は,「日向夏」の自然交雑実生から育成されたものであり,果実の形が扁球,果実の重さがやや重,果皮色が黄色で,育成地(福岡県糸島郡二丈町)において2月上旬に収穫できる品種である。 樹姿はやや直立,樹の大きさ,樹勢及び枝梢の太さは中,節間長はやや短である。葉身の形は紡錘形,葉身の大きさは中,葉身長は中,葉身幅はやや狭,葉形指数は小,葉柄の長さはやや短,太さは中である。果実の形は扁球,果形指数は中,果頂部の形は円,果頂部の凹環の有無は有,果梗部の形は球面,果梗部放射条溝の多少は少,果心の充実度はやや粗,大きさは極小,果実の重さはやや重(200g程度)である。果皮の色は黄,油胞の大きさは中,密度はやや密,果面の粗滑はやや粗,果皮の厚さは厚,果皮歩合は大,剥皮の難易は中である。じょうのう膜の硬さはやや硬,さじょう(果肉)の色は黄白,果汁の多少は中,甘味はやや高(糖度12度程度),酸味は低,香気の多少は少である。種子数は多,胚の色は淡緑,胚の数は多胚である。成熟期はやや早,育成地においては2月上旬である。隔年結果性はやや低,後期落果の多少は少,浮皮果の発生及び裂果の発生は無,貯蔵性は長である。 「日向夏」と比較して,果頂部の凹環の有無が有であること,胚の数が多胚であること,成熟期が早いこと等で,「三宝柑」と比較して,果梗部の形が球面であること,甘味が高いこと,成熟期が早いこと等で区別性が認められる。 |