この品種は,「宮川早生」の枝変わりであり,果実の外観が円,果実の大きさが中,果皮色が黄橙色で,育成地(和歌山県日高郡由良町)において10月上旬から収穫できる極早生品種である。 樹姿は開張性,樹の大きさ,樹勢及び枝梢の太さは中,節間長は短である。葉形指数は中,葉身の面積は小,長さ及び幅は短,葉柄の長さは中,葉柄比率は大である。果実の外観は円,果形指数は~135,果頂部水平域の果実横径に対する比は小,果頂部凹部の深さは浅,花柱痕の大きさは中,果梗部水平域の果実横径に対する比は小,果梗部放射条溝果の多少は少,中心柱の大きさは小,果実の大きさは中(110g程度)である。果皮の色は黄橙,油胞の大きさ及び果面の平滑度は中,油胞の密度は密,凹凸はやや凸,凹点の多少は無~少,果皮の厚さは中,剥皮の難易は易である。じょうのう膜の硬さは軟,砂じょうの色は橙,果汁の多少は多,甘味は多(糖度12度程度),酸味及び香気は少である。成熟期は極早,育成地においては10月上旬である。隔年結果性は中,浮皮果の発生及び裂果の多少はでにくい,貯蔵性は小である。 「宮川早生」と比較して,花柱痕の大きさが大きいこと,果皮の厚さが厚いこと,成熟期が早いこと等で,「宮本早生」と比較して,中心柱の大きさが小さいこと,果皮の厚さが厚いこと,甘味が多いこと等で,「上野早生」及び「紀宝早生」と比較して,花柱痕の大きさが大きいこと,果面の平滑度が粗いこと,果皮の厚さが厚いこと,甘味が多いこと等で区別性が認められる。 |