この品種は,「コチミノリ」に「庄内32号」(後の「はなの舞い」)を交配して育成された固定品種であり,育成地(岩手県岩手郡滝沢村)における成熟期は早生の晩,障害型耐冷性及び耐倒伏性が強い水稲,粳種である。 草型は偏穂数型,稈長はやや短,稈の細太はやや細,剛柔はやや剛,止葉の直立の程度はやや立,葉身及び葉鞘の色は緑である。穂長は短,穂数はやや多,粒着密度及び穂軸の抽出度は中である。穎色は黄白,ふ先色は黄白-黄,芒の有無と多少は稀,芒長は極短である。玄米の形及び大小は中,精玄米千粒重はやや大,見かけの品質は中の中,光沢はやや良,食味は上の下である。出穂期及び成熟期は早生の晩,障害型耐冷性及び耐倒伏性は強,穂発芽性及びは中,収量はやや多である。いもち病抵抗性推定遺伝子型はPiーi ,穂いもち圃場抵抗性及び葉いもち圃場抵抗性はやや強である。 「たかねみのり」と比較して,止葉が立つこと,芒が少ないこと等で,「アキヒカリ」と比較して,草型が偏穂数型であること,いもち病抵抗性推定遺伝子型がPi-i であること等で区別性が認められる。 |