この品種は,ささりんどうの選抜系統どうしを交配して得られた交雑品種であり,花が青紫色で切花向きの極晩生種である。 植物体の形状は直立性,草丈は90~ 119㎝である。茎の直径は 5.0~ 7.9㎜,横断面の形は 4稜形,節数は20~29,茎上部及び下部の色は淡緑,上部及び下部の着色程度は多である。 1節側枝の発生数は 9~12, 2節以上側枝の発生数は 1~ 6, 1節側枝の発生位置は上部~中部である。葉の形は広披針形,葉の長さは 5.0~ 6.9㎝,幅は 3.0~ 3.9㎝,脈は 3脈,葉表面の色は緑,着色程度は無,光沢は有,低温期での紅葉はする。花は茎頂部~下位節に群生, 6~ 8段着生し,全体一斉に開花する。頂部の着花数は 9~12,茎当たりの総花数は30~49である。花冠の形は鐘形,花冠の裂片数は 5,花冠の長さは4.0 ~ 4.9㎝,直径は 1.2~ 1.5㎝,花冠先端の直径は 3.0~ 3.9㎝で外反転する。花冠裂片の形はⅣ型,長さは 8~ 9㎜,幅は10~11㎜,裂片先端の形は鈍頭,花冠副裂片の形は中裂,長さは 3.5㎜以上,幅は 5.0~ 5.9㎜である。花冠内面上部の色は青紫(JHS カラーチャート8009),内面中部は浅青紫(同 8008),外面は明青紫(同8004),花冠の斑点は内面上部及び内面中部は中,外面は無である。がくの裂片数は 5,がく片の形は披針形,そろいは斉,がく筒の形は筒状である。育成地(岩手県陸前高田市)における開花は10月下旬~11月上旬の極晩である。 「ジョバンニ」と比較して,草丈が低いこと,茎上部及び下部の着色が多いこと,葉身の形が広披針形であること,開花期が晩いこと等で,「アルビレオ」と比較して,草丈が低いこと,花冠副裂片の長さが長いこと,花冠副裂片の形が中裂であること等で区別性が認められる。 |