この品種は,「王林」に「はつあき」を交配して得られた実生から選抜,育成されたもので,果皮の色が黄色,果形が円,果重が 270g程度,育成地(岩手県北上市)において9月上旬に成熟する早生種である。 樹姿は開張,樹の大きさ及び樹勢は中である。枝梢の太さ,節間長及びえき花芽の着生は中である。葉身の形は長,葉縁の鋸歯は鋭鋸歯,葉の大きさは長,葉柄の長さは長,太さは中である。果実の外観は円,がくの開閉は中,がくあの深さ及び広さは中,梗あの深さ及び広さは中である。果実の大きさは中(270g程度),果皮の地色及び果皮を被う色は黄,色の強さは中,色の型は縞不明,色の量は中である。さびの量は無~僅か,果皮の光沢,ろう質及び果面の粗滑の程度は中である。果梗の長さ及び太さは中,肉梗の有無は無である。果肉の色は白,硬さは中,きめは密である。蜜の多少は無~僅か,甘味は中(糖度14度程度),酸味は中,果汁の多少は多,種子の数は中である。成熟期は育成地において9月上旬で早,自家結実性は低,早期落果及び後期落果は無~僅か,果実の生理障害の多少は少,普通貯蔵及び冷蔵貯蔵は長い,心かびの発生は無~僅かである。 「ゴールデン・デリシャス」と比較して,果実の外観が円であること,果実の大きさが小さいこと,果皮を被う色の型が縞不明であること,成熟期が早いこと等で,「夏緑」と比較して,果実の大きさが大きいこと,果皮の地色が黄であること,果皮を被う色の型が縞不明であること等で区別性が認められる。 |