この品種は、「浅間白桃」の枝変りで、自家結実性高く、着色良好で、育成地(山梨市)において7月中旬に成熟する生食用の早生ももである。樹姿、樹の大きさ、樹勢は中である。葉身の形は中で、「松森早生」より細長く、葉縁の波打ちがあり、きょ歯の深さは中である。花は普通咲で、花粉が多く、自家結実性が強い。果形は扁円で、果頂の凹は浅、梗あは深く、果実の大きさは1果平均240gで中の大、果皮の地色は緑黄で、ぼかし状に着色する。切った直後の果肉は白色で、果肉内の着色は少く、核周囲にも着色しない。果肉は溶質で、果肉内の繊維は少なく、果汁は多い。甘味は糖度計示度12~14度でやや多。酸味は少で、渋味、苦味はともになく、「やまなし白鳳」に比べて格段に少ない。核は粘核で大きく、核割れは少で、「松森早生」、「やまなし白鳳」、「倉方早生」より少ない。成熟期は育成地において7月中旬で、満開後91~100日の範囲にあり、「浅間白桃」より約10日早く、「倉方早生」より7~8日遅い。「浅間白桃」と比較して、花粉を有し、熟期が早いこと等で、「松森早生」と比較して、葉身が細長く、果面毛じが長く、果面の光沢がないこと等で、「やまなし白鳳」と比較して、酸味・渋味がないこと等で、「倉方早生」と比較して、花粉を有し、熟期が遅いこと等で、「歌田白桃」と比較して、核の厚さが薄いこと等で区別性が認められる。 |