この品種は、「リュウキュウカンヒザクラ」から選抜、育成されたものであり、花は一重で平開形の下向で、紫赤色の大輪花である。樹形は盃状、樹高は亜高木性である。樹幹の色は紫褐、皮目は多、樹皮の裂け方は横裂、枝の太さは太、色は褐、分枝性は中である。葉全体の形は倒卵状楕円形、先端の形は尾状鋭尖形、基部の形は鈍形、葉縁の鋸歯の状態は浅、鋸歯の形は二重鋸歯、先端は鋭形、葉の長さ及び幅は中、厚さは厚、蜜腺の有無は有、位置は葉柄上部である。花序の形は散房状、花数は中である。蕾の色は紫赤、花の向きは下向き、形は一重咲、開き方は平開形、大きさは大輪、花色は紫赤(JHSカラーチャート9708)、花弁全体の形は円形、花弁の切れ込みは少、基部の形は鈍形、枚数は約5である。雌ずいと雄ずいとの長さの比較は長、がく筒の形は盤状形以外、盤状形以外のがく筒の形は筒形、花柄の長さは短、小花柄の毛は無である。花の香りは殆ど無、育成地(沖縄県国頭郡本部町)における開花期は1月下旬の早である。「カンヒザクラ」と比較して、葉全体の形が倒卵状楕円形であること、花序の形が散房状であること、花の開き方が平開形であること、花色が紫赤であること等で区別性が認められる。 |