この品種は、岩手県園芸試場(北上市)において、出願者育成の選抜育成系どうしを交配して得られる交雑品種であり、花は青紫色の中輪で切花向きの早生種である。植物体の形状は直立性、草丈は90~119cmである。茎の直径は3.0~4.9mm、横断面の形状は円形、色は緑、着色程度及び空洞の有無は無である。1節側枝発生数は0、葉身の形状は披針形、葉脈は3脈、葉長は7.0~9.9cm、幅は2.0~2.9cm、色は表面は緑、裏面は淡緑である。花房のつき方は茎頂~下位節群生、開花の順序は全体一斉、茎当たりの総花数は20~29である。花冠の形状は鐘形、花冠先端の直径は1.5~1.9cm、転回はやや外反転、花冠内部上部及び外面の色は青紫(JHSカラーチャート8009)、中部の色は鮮青紫(同8008)である。花冠裂片の形状はⅣ型、花冠副裂片の長さは0.5mm未満、幅は1.0~1.9mm、形状は凹形である。がく裂片数は5、がく片の形状は狭披針形、そろいは不斉、がく筒の形状は漏斗状である。育成地における開花期は7月下旬の早生種である。「イーハトーヴォ」と比較して、茎の着色程度が無であること、葉身の形状が披針形であること、花冠の形状が鐘形であること、花冠内部上部の色が青紫であること、花冠副裂片の形状が凹形であること、がく片の形状が狭披針形であること等で、「いわて」と比較して、草丈が低いこと、葉脈が3脈であること、開花の順序が全体一斉であること、育成地における開花期が早いこと等で区別性が認められる。 |