この品種は、「山根白桃」と「水野ネクタリン」の混植園における偶発実生であり、果実が350g程度、果皮の着色が良好で果肉が硬く、育成地(長野県須坂市)において8月中下旬に成熟する黄肉種である。樹姿は開張、樹勢、枝梢の太さ及び節間長は中、芽序は単複である。葉身の形は極長、葉の大きさは大、葉身の色は緑である。花形は普通咲、花の大きさは中、花弁の色は淡桃、花粉の有無は有、がく筒内壁の色は濃黄である。果実の外観は円、果頂部の形は凹、果頂部の凹は中、硬あの深さ及び広さは中、赤道部の縫合線は浅、果頂部の縫合線は中である。果実の大きさは極大、果皮の地色は黄、着色はかなり多、着色の濃さは濃、形はぼかしである。切った直後の果肉の色は黄、果肉内及び核周囲の着色は中である。果肉の粗密は密、果肉繊維の多少は少、果皮の剥離性は難、肉質は不溶質(ゴム質)である。果汁の多少はやや多、甘味は中、酸味は少である。核と果肉の粘離は粘核、核の形は楕円、大きさは中、色は褐、核面の粗滑は中、刻の点条の比率は1:1である。成熟期(満開から成熟までの日数)は111~120日で、育成地において8月中下旬である。結果量は多、生理落果の多少及び核割れの多少は小、裂果は無である。「山根白桃」と比較して、切った直後の果肉の色が黄であること、果肉内及び角周囲の着色が多いこと、果皮の着色が多いこと等で、「水野ネクタリン」と比較して、果面の毛じがあること、酸味が少ないこと、核と果肉の粘離が粘核であること、「錦」と比較して、葉身の形が極長であること、果実の外観が円であること、果実の大きさが大きいいこと等で区別性が認められる。 |