この品種は、「津雲」と「瑞穂」の交雑実生で、「田中」より丸味を帯びた短卵形、70g程度の大果で酸味が少なく、育成地(千葉県館山市)において5月末から6月初旬に成熟する中生種である。樹姿は直立、樹の大きさ及び樹勢は中である。葉身の形は中、葉の横断面は内、葉の厚さは厚である。花穂の形はやや三角、大きさは中、小花梗の着生方向はやや下、一花穂の花数は多である。果実の縦断面は短卵、横断面は円、果梗部の形は円~鈍、果実の大きさは大である。果皮の色はやや橙黄、果実の紫斑は軽、緑斑は無、そばかすは軽、果粉の多少はやや多である。果頂部の開孔は開、果頂部の突出度は凹、がく片の長さは短、がく片の基部の幅は広、がく筒果しん部の幅はやや広、がく筒の深さは中である。果皮の厚さは中、はく皮の難昜は難であるが果頂部からのはく皮は昜である。果肉の厚さは中、色は橙黄、粗密はやや密、硬度は中、甘味は中、酸味は少、果汁の多少は多、香気は少である。種子数は多、種子の大きさは中、種皮小斑点の多少は少である。開花期は中、開花期間は長、成熟期は中であり、育成地で5月末から6月初旬である。「田中」と比較して、成熟期が早いこと、果実の横断面が円であること、酸味が少ないこと等で、「瑞穂」と比較して、果実が小さいこと、果実の紫斑が軽いこと、果肉の粗密がやや密であること等で区別性が認められる。 |