この品種は、「三保早生」と「クレメンティン」の交雑実生で、果皮色が紅橙、無核高糖の、育成地(長崎県南高来郡口之津町)において12月中下旬に成熟するマンダリンである。樹姿は中間、樹の大きさ及び樹勢は中、枝梢の太さは細、節間長は短である。葉の厚さは薄、葉の大きさは小である。花序の形成は単生、花の色は白、花弁の数は4~5枚、花紛の多少は不稔性である。果実の外観は円、果実指数は110~115で、温州みかんより腰高である。花柱痕の大きさは甚大、果実の大きさは中(約130g)、果皮の色は紅橙、果皮厚さはやや薄、剥皮の難易は中で温州みかんよりやや困難である。油胞の大きさ及び密度は中、凹凸は凸、果面の平滑度は粗である。浮皮果の発生はでにくい。じょうのう膜の硬さは軟、砂じょうの大きさは小である。果汁の多少は多、甘味は多(糖度13~14度)、酸味は中で減酸が遅く、香気は中である。種子はできにくく、胚の数は単胚である。成熟期は早で、育成地において12月中下旬である。日焼け果及び裂果はでにくい。「三保早生」と比較して、葉が小さいこと形が円であること、果皮色が濃いこと、甘味が高いこと等で、「クレメンティン」と比較して、果実が大きいこと、油胞の密度が粗いこと、無核であること等で区別性が認められる。 |