この品種は、「岩南7号」に「ふ系179号」を交配して育成されたものであり、育成地(岩手県北上市)における成熟期は中生、稈の長さが中、いもち病抵抗性推定遺伝子型がPi-i,kの粳品種である。稈の長さは中、太さはやや太、止葉葉身の姿勢(初期観察)は立、葉耳のアントシアニン色は無である。穂の主軸の長さはやや長、穂数はやや少、抽出度は穂軸もよく抽出、主軸の湾曲程度は垂れる、穂型は紡錘状、外穎の毛茸の多少は中、穎色は黄白、外穎先端の色(ふ先色)は白、護穎の長さは中、色は黄白、穎のフェノール反応は無である。芒は有、色(初期観察)は黄白、最長芒の長さは極短、分布は全体である。籾1000粒重はやや大、玄米の長さ及び幅は中、形は半円、色は淡褐、香りは無又は極弱である。胚乳の型は粳、出穂期(50%出穂)及び成熟期は中生である。障害型耐冷性は極強、穂発芽性は難、耐倒伏性は強、脱粒性は難である。いもち病抵抗性推定遺伝子型はPi-i,k、穂いもちほ場抵抗性は強、葉いもちほ場抵抗性はやや弱である。胚乳のアミロース含量は4型、蛋白質含量は低である。「あきたこまち」と比較して、籾1000粒重が大きいこと、障害型耐冷性が強いこと、いもち病抵抗性推定遺伝子型がPi-i,kであること等で、「ひとめぼれ」と比較して、耐倒伏性が強いこと、いもち病抵抗性推定遺伝子型がPi-i,kであること等で区別性が認められる。 |