この品種は、「チシマザクラ」の変異株であり、花は一重咲で鮮紫ピンク色の庭園及び鉢物向きの中輪花である。樹形は傘状、樹高は低木性である。樹幹の色は紫褐色、皮目及び枝の太さは中、色は灰褐色、分枝性は強である。葉全体の形は倒卵状楕円形、先端の形は尾形鋭尖形、基部の形は円形、葉縁(鋸歯)の状態は深、鋸歯の形は欠刻状鋸歯、先端は鋭形、葉の長さは短、幅は中、厚さは薄、蜜腺の有無は有、位置は葉柄上部である。花序の形は散形状、花数はやや少である。蕾の色は鮮紫赤(JHS カラーチャート9707)、花の向きは横向き、形は一重咲、開き方は平開形、大きさは中輪、色は鮮紫ピンク(同9204)、花弁全体の形は円形、花弁の切れ込みは少、基部の形は鈍形、花弁の脈の色は目立つ、数は約5である。雌ずいと雄ずいの長さの比は短、雄ずいの数は中、がく筒の形は盤状形以外、盤状形以外のがく筒の形は鐘形、がく筒の毛は無、がく裂片の形は広卵状三角形である。花の香りは少し有、通常開花期は早で、育成地(北海道三笠市)では5月上旬である。「チシマザクラ」と比較して、花の色が鮮紫ピンクであること、花弁の脈の色が目立つこと等で区別性が認められる。 |