この品種は、さくらの変異株であり、花は一重咲で紫ピンク色の中輪で庭園及び鉢物向きの品種である。樹形は盃状、樹高は亜高木性である。樹幹の色は紫褐色、皮目は多、枝の太さは中、色は褐色、分枝性は中である。葉全体の形は卵状楕円形、先端の形は尾形鋭尖形、基部の形は円形、葉縁(鋸歯)の状態は浅、鋸歯の形は単鋸歯、先端は鋭形、葉の長さはやや長、幅は中、厚さは厚、蜜腺の有無は有、位置は葉柄上部である。花序の形は散形状、花数は少である。蕾の色は鮮紫ピンク(JHS カラーチャート9505)、花の向きは下向き、形は一重咲、開き方は平開形、大きさは中輪、色は紫ピンク(同9203)、花弁全体の形は円形、花弁の切れ込みは少、基部の形は突出形、脈の色は目立つ、数は約5である。雌ずいと雄ずいの長さの比は同、雄ずいの数は中、がく筒の形は鐘形、がく筒の毛は無、がく裂片の形は広卵状三角形、花柄の長さは短である。花の香りは殆ど無、通常開花期は極早で、育成地(静岡県伊豆市)では12月下旬である。「オオカンザクラ」及び「カワヅザクラ」と比較して、花の色が紫ピンクであること、がく裂片の形が広卵状三角形であること、開花期が早いこと等で区別性が認められる。 |