この品種は、「楠」に「茂木」を交配して育成されたものであり、果実縦断面が短卵、果実の大きさがやや大、果皮色が橙黄の育成地(長崎県大村市)では5月中旬に成熟する早生種である。樹姿はやや開張、樹の大きさはやや大、樹勢はやや強である。葉身の形は細長、葉の横断面はやや内、厚さはやや厚、大きさは小、葉色はやや淡緑、成葉裏面の毛じは中である。花房の形はやや三角、長さは長、小花梗の着生方向はやや下、花の大きさは中、花数は多である。果実の縦断面は短卵、横断面は円、果梗部の形は鋭、果実の大きさはやや大である。果皮の色は橙黄、果実の紫斑は中、緑斑は無、そばかすはやや多、果粉の多少は多である。果頂部の開孔はやや開、突出度は平、がく片の長さは中、基部の幅は狭、がく筒果しん部の幅及び深さは中である。果皮の厚さは厚、はく皮の難易及び果肉の厚さは中、色は橙黄、粗密はやや密、硬度は軟、甘味は中、酸味は少、果汁の多少はやや多、香気は少である。種子数は多、背面の形は短楕円、大きさは小、色は褐、種皮小斑点の多少は無である。発芽期は中、開花期はやや早、成熟期は早で育成地においては5月中旬、果房内の着色の揃いは良である。「茂木」と比較して、果実縦断面が短卵であること、成熟期が早いこと等で、「長崎早生」と比較して、果実が大きいこと、種皮小斑点がないこと等で区別性が認められる。 |