この品種は、植栽されていたさくらの変異株から育成されたものであり、花は一重咲、淡紫ピンク色の中輪で庭園及び鉢物向きの品種である。樹形は傘状、樹高は亜高木性である。樹幹の色は紫褐色、皮目は多、枝の太さは中、色は灰褐色、分枝性は中である。葉全体の形は倒卵状楕円形、先端の形は尾形鋭尖形、基部の形は鈍形、葉縁(鋸歯)の状態は浅、鋸歯の形は単鋸歯、先端は鋭形、葉の長さ及び幅は中、厚さは厚、蜜腺の有無は有、位置は葉柄上部である。花序の形は散形状、花数は中である。つぼみの色は鮮紫ピンク(JHS カラーチャート9504)、花の向きは横向き、形は一重咲、開き方は平開形、大きさは中輪、花の色は淡紫ピンク(同9502)、花弁全体の形は円形、花弁の先端の切れ込みは中、基部の形は突出形、脈の色は目立つ、数は約5である。雌ずいと雄ずいの長さの比は同、雄ずいの数は中、がく筒の形は鐘形、毛は無、がく裂片の形は長卵状三角形、花柄の長さは極短である。花の香りは殆ど無、通常開花期はかなり早で、育成地(茨城県日立市)では1月下旬~2月上旬である。「カンザクラ」と比較して、花が大きいこと、花の色が淡紫ピンクであること等で、「オオカンザクラ」と比較して、花の色が淡紫ピンクであること、小花柄の色が淡緑紅であること等で区別性が認められる。 |