この品種は、「巨峰高墨系(以下「高墨」という)」の枝変りで、「巨峰」や「高墨」より着色・熟期とも早く、育成地(山梨県甲府市)において8月初旬に成熟する大粒早生種である。樹の大きさは大、樹勢は中、樹梢は太、葉は心臓形、5片葉で、葉柄裂刻は開き、上裂刻は深く重なる。果房の大きさは大、果房の形は円錐、粒着の粗密は密である。果粒の大きさは非常に大(12g程度)、果形は短楕円形、果皮の色は紫黒、果粉の多少は多である。果皮は厚く、果皮と果肉の分離性は易、果肉の色は不着色、肉質は崩解性と塊状の中間である。果汁は多、甘味は高、酸味は少、香気は特殊、種子の多少は中である。開花期は中、成熟期は早、育成地において8月初旬で、「巨峰」より10~15日、「高墨」より5~7日早い。花振い性は中、果実の着色の難易は易、脱粒性は中、果実の日持ちは中である。「巨峰」及び「高墨」と比較して、着色・成熟期が早いこと等で区別性が認められる。 |