この品種は、「ひとめぼれ」に「東北141号(後の「こころまち」)」を交配して育成された固定品種であり、育成地(岩手県江刺市)における成熟期は早生の晩、障害型耐冷性が極強、穂いもちほ場抵抗性が強の水稲、粳種である。草型は偏穂数、稈長、稈の細太、剛柔及び止葉の直立の程度は中である。穂長は中、穂数はやや多、粒着密度はやや疎、穂軸の抽出度は中、穎色は黄白、ふ先色は黄白-黄、護穎の色は淡黄である。芒の有無と多少はやや少、芒長はやや短である。玄米の形、大小、色沢及び精玄米千粒重は中、玄米の見かけの品質は上の中、光沢は良である。水稲・陸稲の別は水稲、粳・糯の別は粳、出穂期及び成熟期は早生の晩、障害型耐冷性は極強、穂発芽性はやや難、耐倒伏性は中、脱粒性は難である。いもち病抵抗性推定遺伝子型は+、穂いもちほ場抵抗性は強、葉いもちほ場抵抗性は中である。「たかねみのり」と比較して、穂数が多いこと、障害型耐冷性が強いこと等で、「あきたこまち」と比較して芒が多いこと、成熟期が早いこと、障害型耐冷性が強いこと等で、「ひとめぼれ」と比較して、出穂期及び成熟期が早いこと等で区別性が認められる。 |