この品種は、カワヅザクラの自然交雑実生の中から選抜して育成されたものであり、花は一重咲で鮮紫ピンク色の中輪花である。樹形は傘状、樹高は高木性である。樹幹の色は紫褐色、皮目は多、枝の太さは中、色は褐色、分枝性は中である。葉全体の形は倒卵状楕円形、先端の形は尾形鋭尖形、基部の形は円形、葉縁(鋸歯)の状態は浅、鋸歯の形は単鋸歯、先端は鋭形、葉の長さは長、幅は広、厚さは中、蜜腺の有無は有、位置は葉柄上部である。花序の形は散形状、花数はやや多である。蕾の色は紫赤(JHS カラーチャート9714)、花の向きは下向き、形は一重咲、開き方は半開形、大きさは中輪、花の色は鮮紫ピンク(同9204)、花弁全体の形は円形、花弁の切れ込みは少、基部の形は鈍形、花弁の脈の色は目立たない、数は約5である。雌ずいと雄ずいの長さの比は長、雄ずいの数は2本、がく筒の形は盤状形以外、盤状形以外のがく筒の形は長鐘形、がく筒の毛は無、がく裂片の形は長楕円形、花柄の長さは極短である。花の香りは殆ど無、通常開花期は極早で、育成地(静岡県賀茂郡河津町)では12月下旬である。カワヅザクラと比較して、花の開き方が半開形であること、花の色が鮮紫ピンクであること、通常開花期が早いこと等で区別性が認められる。 |